介護老人福祉施設とは、特別養護老人ホームとも呼ばれ、利用する要介護者に対し、介護サービス計画に基づき、入浴・排せつ・食事等の介護、日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行なう施設のことです。
原則65歳以上の高齢者を対象にした老人施設のうち、要介護者に対して介護保険サービスを行なう施設が介護老人福祉施設です。
施設で提供される介護サービスを「施設サービス」と呼びますが、平成17年10月以降、利用者から居住費(家賃)や食費が徴収されるようになりました。
こうしたことから、現在は、介護老人福祉施設は、施設というより、住居に近くなったと言えるでしょう。
介護老人福祉施設が介護保険サービスを行なうには、介護保険法に基づく都道府県知事の指定を受ける必要があります。
また、開設は、社会福祉法人でないと開設することが出来ません。
介護老人福祉施設として、都道府県知事の指定を受けるには、一定の基準を満たす必要があります。
基準には、医師、生活相談員、看護職員、栄養士、ケアマネージャーなどの人員に関する基準がありますが、看護職員に関しては、配置人数は、
・入所者が30人以下の場合は、常勤換算で1人以上配置。
・入所者が31~50人の場合は、常勤換算で2人以上配置。
・入所者が51~130人の場合は、常勤換算で3人以上配置。
・入所者が131人以上の場合は、常勤換算で4人以上配置(入所者130人を超過する人数が50人を超える毎に更に1人以上加算)
このようになっています。
設備基準でも、従来型、ユニット型、それぞれで、施設としての細かい基準が設けられています。
運営基準としては、
(1)適切な入浴、食事、日常生活支援などの提供が行なわれていること。
(2)予め入所申込者に対してサービス選択に関する重要事項を説明し、同意を得た上でサービス提供を行なっていること。
(3)入退所等のサービス提供の記録を入所者の被保険者証に記載すること。
(4)現物給付以外のサービスに対して、内容・費用等を記載したサービス提供証明書を交付すること。
(5)緊急やむを得ない場合に入所者の身体を拘束する場合は、その態様・時間・心身の状況・拘束の理由を記録すること。
(6)入所者に応じた施設サービス計画が作成されていること。
(7)施設サービス計画に基づき提供したサービスの内容等を記録して、その完結日から2年間保存すること。
このように定められています。
介護老人福祉施設の特徴とサービス内容について考えてみたいと思う。
“介護老人福祉施設”とは、“介護老人保健施設”とは全くの別物である。
語感は似ているし、何も予備知識の無い状態では両者とも同じような施設であると勝手に思い込んでしまう。
実際の所、どちらも大分類では、同じ「介護福祉施設」なのではあるが、位置づけが対極と呼んで良い程に異なっている。
後者である“介護老人保健施設”が、
「病床が安定した高齢者に対して、病院での治療と言うよりは、看護・介護などのリハビリテーションや、生活面でのサービスを提供する施設」という比較的症状の軽い(というのは語弊があるかも知れないが)高齢者の方が使用する施設である。
上記と比較して、前者である“介護老人福祉施設”とは、「常時介護が必要で、在宅生活が困難な要介護者(寝たきり老人、認知症の高齢者など)が対象となる施設」を指し、
介護老人保健施設よりも比較的症状の重い高齢者の方が使用する施設であると言える。
また、老人福祉施設と呼ばれている施設の一種であり、「特別養護老人ホーム」と呼ばれているものも、この介護老人福祉施設である。
ちなみに経済的に困難で入居せざるを得ない「養護老人ホーム」と、この「特別養護老人ホーム」は違う。
そんな介護老人福祉施設であるが、一点、非常に気になる事がある。
この介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)には「行政の措置で高齢者を通わせる」という入所形式が1つの方法であるが
「高齢者が何らかの虐待等を受け、緊急避難的に特別養護老人ホームに入所をしなければならない」と言う際にも、この措置が行われるとの事である。
老人虐待という言葉はよく聞くが、この言葉に私は憤りを隠せない。最低の行為である。
聞いた話ではあるが、老人虐待も近親者の「ストレス」「介護疲れ」にあるとも聞く。
かといってストレスを抱えながら、献身的に高齢者の世話をする人間もいると思うので、この手の虐待を行う人間をもちろん弁護するつもりは毛頭無い。厳しく処罰すべきだと私は思う。
こうした悲劇に合った受け皿として、介護老人福祉施設が存在する事が良いのではあるが、それが「虐待の非難の場」となってしまっているのは問題である。
もちろん、この“介護老人福祉施設”の最終的なゴールも介護老人保健施設と同じく、
「居住生活への復帰」ではあるのだが、
その居住生活が「虐待を受ける生活」であれば、復帰しない方が良い気がしてしまう。
そうした形で介護老人福祉施設が使用されている事が真琴に残念であるし、非常に由々しき問題であると私は思う。